昨今、英検が小学生の間でブームになっています。というより、親御さんたちが子供に積極的に英検を受けさせています。
おそらく、中学入試で英検を利用できる学校が増えたことも影響しているでしょう。また、小学校で英語の学習が科目化されたことに伴い、マイルストーンとして積極的に受験されることが多いようです。
ビバイでも、英検対策を行なっております。お子様によってカリキュラムを考え、英検だけで終わらない真の英語力を身につけられるようレッスンを行っております。
英検対策に関するお問い合わせも多く頂くのですが、その中でお母様が一人で焦って無理やり受験させるケースも少なくありません。
今回は、英検の正しい利用の仕方についてご説明します。
■英検のレベル
まず、英検を主催する公益財団法人 日本英語検定協会(以下協会)によると、各級の目安は下記のように書いてあります。
参考:各級の目安
5級 … 中学初級程度
4級 … 中学中級程度
3級 … 中学卒業程度
準2級 … 高校中級程度
2級 … 高校卒業程度
準1級 … 大学中級程度
1級 … 大学上級程度
このように、英検は基本的には小学生を対象に作っていないことがわかります。小学生には、小学生用の「英検Jr.」という別の試験があり、多くの英検受験者は中学生以上が対象となっています。
■小学生の英検受験者数の増加と問題点
そして、協会の発表からもわかるように、小学生の英検受験者は増加しています。
英検の3級までは中学生の範囲ですし、内容も難しくないので小学生の受験にはオススメです。英語の学習を着実に続けていれば合格できるでしょう。
しかし、準2級以降は少し様子が変わってきます。単に英語力だけではなく、「読解力」や「表現力」が必要となります。また、語彙のレベルが上がりますので、小学校低学年のお子様の場合は、日本語訳を読んでも「?」となる場合も多くあります。
準2級以降は、英語力のだけでなく、いわゆる国語力が必要となってきます。単に語彙のレベルや文法レベルを上げるだけではなく、自分の考えを述べるなど高度な英語力が必要となってきます。
日本人の小学生でも国語の問題が苦手な子がいるのと同じように、英語が読めたとしても解けない問題が出てくるのです。
英検の上位の級は単純に「読む」「書く」「聞く」「話す」だけでは合格しにくい側面があるのです。小学生低学年にはとても難しい試験になります。
■英検に潜むリスク
英検受験には、リスクも存在します。特に、親のエゴで身の丈に合わない級を無理やり受けさせた場合、英語を嫌いになったり、失敗することを恐れて英検を受験したくないと思うケースがあります。
大人からすれば「落ちると思ったけどとりあえずチャレンジさせてみよう」と軽い気持ちで受験を促したとしても、受験するお子様にとっては大きなストレスになることもあるのです。
英検はスコアも表示されますが、基本的には「受かったか」「落ちたか」どちらかの結果を突きつけられます。お子様にとって本当に必要な受験なのか、冷静に判断を促したいところです。
間違っても「うちの子はまだ小1なんだけど、この間英検2級に合格して〜」という、親のエゴに付き合わせないようにしてほしいと思います。
次回、英検の効果的な活用法と英検以外の民間試験をご紹介します。