世間では「子供は褒めて伸ばすのがいい」という風潮があるようです。もちろん、適切に褒めることは重要ですが、果たして本当にそれで正しく子供は成長するのでしょうか。
「褒めて伸ばす」の正しい理解。ちゃんと叱りましょう。
私は、何でもかんでも褒めて伸ばすという姿勢はあまり好ましくないと考えています。というより、褒めることばかりに気を取られていて、「叱る」という行為が疎かになっている親御さんが多いように見受けられるからです。
褒めることはもちろん大切なことですが、それと同じくらい叱ることも大切です。褒めるためのテクニックも重要ですが、同じくらい叱り方もちゃんとした意味があると私は考えています。
子供を叱る回数が多いのは、やはりお母さんだと思います。一番長い時間をお子様と過ごすわけですから、当然褒める機会も叱る機会も増えてくるでしょう。
「理性を持って叱らないと」と、多くのお母さんが頭では理解されていることと思います。育児書や教育雑誌には「優しく叱る」「なぜ叱られているのか説明する」などなどの、「叱り方マニュアル」が溢れていますから、それらの記事を見た際に「よし、次に叱るときはこういう風にしよう」と決意するのだと思います。
しかし、実際はそううまくいかないことがほとんどでしょう。3歳から5歳の男の子はまるで宇宙人です(笑) ついつい感情的になり「こら!なにやってんの!」と叫んでしまう気持ちは十分に理解できることです。
私は、お母さんが感情的に怒ることは、ネガティヴなことではないと考えています。何でもかんんでも温和に接することは難しいでしょうし、ストレスもかかります。
そして、感情的に怒ることは人格形成の上でも重要だと思います。人間というのは、よほどの人を除いては喜怒哀楽の感情を持ち合わせています。長い人生を生きていく上で、人を怒らせたり、あるいは怒りを覚えたりすることは普通のことです。「怒り」という感情を学ぶことも大切です。そうでないと、人の気持ちがわからない人間に育ってしまうことだってありえます。「理由はわかないけど、とにかく今お母さんがとても怒っている!やばい!」という感情を子供が形成していくことはとても大切です。
とはいえ、なるべく理想的な形で褒めたり叱ったりすることは、親子の関係をより重要なものにしていく上では大切なことです。
どういうときに褒め、どういうときには叱るのかのルールを保護者がしっかりと決める必要があります。そのルールを決める際に、ある程度の理論を知っていると、よりお子様の成長を手助けすることができるのです。
Koki